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【症例】前歯の変色と歯の重なりをジルコニアセラミックにて修復
2024.08.24
治療内容 | 神経の治療をしてから時間の経過とともに歯が変色してきていることと、年齢とともに歯の重なりが出てきていることで、前歯をジルコニアセラミックを用いて治療を行いました。 |
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期間 | 2ヶ月 |
治療回数 | 6回 |
費用(施術当時の料金) | 286,000円 (税込み) |
治療前の状態・主訴
患者様は50代女性で、以前から当院でメインテナンスをしていたのですが、歯が欠けてしまったとのことで来院され、奥歯の治療を行いました。その後、全体的にチェックをさせて頂いたところ、神経の治療をしている右上の前歯2本がの変色がだいぶ進んできていることと、歯の重なりが強くなってきていることが見て取れました。上の写真では強いフラッシュの光が当たっているためわかりづらいのですが、自然光の下ではもっと暗い色を呈して見えている状況でした。
患者様にその事をお伝えすると、最近色が濃くなってきていて気になっていたとのことで、該当の前歯にたいしてジルコニアセラミックで治療を行うご相談をさせていただきました。
治療詳細
神経を治療した前歯は、虫歯がさほど大きくない場合はプラスチックの詰め物で封鎖をして治療を終了することが多くあります。治療してすぐに変色は起こらないのですが、神経をとってしまう事により歯の象牙質への栄養供給と水分供給がなくなるため変色が起こるのではないかと言われています。変色が進んだ場合は、差し歯で修復をするか、歯の中にホワイトニング剤を入れて漂白を行うウォーキングブリーチ法を行うかのどちらかになります。
今回はプラスチックの面積も大きく形態修正の必要があるため、削って被せる形を取りました。
手順としては以下のように進めます。
・初めに仮歯の形を取ります。
・仮歯を作成に一週間ほどお時間をいただきますので、その間に前歯の根の治療とファイバーコアの植立を行います。
・根の治療が終わるのと同時に仮歯が出来上がってきましたので、歯の形成と歯肉の形態修正を行なって仮歯のセットを行います。
・仮歯を使用していただきながら口腔内にマッチしているか確認を行なっていきます。
前歯の治療を行なっていく場合には、いろいろな注意点があります。前歯の審美的な色合いに皆さん目がいきがちなのですが、前歯は発音や咀嚼顎の運動に非常に大事な場所となります。ですので、当院では仮歯を入れてもらいながらしばらく使用していただいてこれらに問題がないかを一つずつ確認を行なっていきます。
今回の患者様は、それほど不調和が現れませんでしたので、1ヶ月ほど仮歯を使用していただき、型取りを行いました。
型取りを行う際は、技工士さんに来院してもらい、今回合わせていく前歯の歯の色の写真を撮影してもらいます。その時に色合いが複雑な患者様には、コンサルティングを行なってもらいながら、どの歯と色を合わせていくと審美的に問題ないかをお話ししてもらいます。
今回は一番前の歯ですので、左隣の一番前の歯に合わせて作製をお願いしました。
2週間ほどお時間をいただいて出来上がってきた被せ物を口の中に入れた状態で見ていただき完成となります。
*当法人にはセラミックを専門に作成してもらう技工士さんが在籍しているので、形態の相談をしながら仮歯の作成をお願いしています。
セット後の写真になります
治療後の様子
患者様にセット後の前歯を見て頂いたところ、色にも形態にも非常に満足し、喜んでいただけました。
基本的にジルコニアセラミックは汚れが非常につきにくい材質です。また、ステインもつきにくいので、このままの色合いを維持することが可能となります。
患者様によっては診療室のライトではいまいち色合いの差が分かりづらい方もいらっしゃいます。そういう方の場合仮着をしてもらって一度日常生活で使用してもらいながら、気になる点があれば後からお預かりさせていただいて修正を行うこともあります。
今回はセット時から全く問題ありませんでしたので、このままセットさせていただきました。
主な副作用・リスク
・予後を完全に保証するものではありません
・自由診療での治療となります
・歯の萌出方向・残っている量によっては神経を取らないといけないケースがあります。
・治療終了後にしみる症状、咬むと痛いなどの症状が出る場合があります
患者様に合わせて作成したセラミックで治療いたします。
今回の前歯の治療は実は非常に形態に苦慮しました。今回の患者様は右上の2番目の歯が中に倒れているため一番前の歯が少し出ている状態でした。よく完成写真を観察していただくとわかるのですが、右の一番前歯の歯茎部分が前に出ていると思います。そのせいで歯茎の形が左右均等でないため、そこも仮の歯で修正を行いました。また、右の犬歯の植立方向が左右異なるため形を左右対象にしてしまうとかえってアンバランスに見えてしまうため、あえて左右非対称にして自然な形になるように作製をしていきました。
患者様は、極力セラミックが入っていることがわかりにくい、自然な形を希望されましたので今回はこちらの形となりました。
当院で使用しているジルコニアセラミックは金属を全く使わないため、天然歯特有の透明感の表現に非常に優れています。当院のジルコニアセラミックはデンタルビジョンという馬車道アイランドタワー 歯科に隣接する技工所の方に作成していただいています。色調再現は技工士さんのテクニックとセンスに依存するのでいつも助けられています。
歯やお口周りに、お困りの症状や気になることがございましたら、どんな些細なことでも構いませんのでご相談ください。治療にはさまざまな選択肢がありますので、しっかりとお話しさせていただきます。ご遠慮なく相談ください。
こちらのご参照ください
みらい歯科 院長 出口 真太郎