症例

【症例】インプラント歯周炎(ペリインプランタイティス)のインプラントを再埋入

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2024.11.26

治療内容 インプラントを用いた咬合治療
期間 3ヶ月
治療回数 6回
費用(施術当時の料金) 440,000円(税込)

治療前の状態・主訴

患者様は50代の男性の方で、10年前にタイで右下のインプラント治療を行い、その後経過を見られていました。

しかし、治療した箇所が腫れたり引いたりするのを繰り返すうちに、痛みが酷くなってきたためご来院されました。

治療詳細

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パノラマレントゲン写真で状態を確認したところ、インプラント周囲炎になってしまっており、インプラントの周りの骨が溶けて無くなっていました。

幸い、インプラントに揺れなどはなく、食事をしていても咬合で痛みを感じることはないとのことでした。

初回は、炎症が非常に強かったため、歯周ポケットの洗浄と排膿を行い、抗生剤と痛み止めを処方しました。

10日ほどで炎症が引いてきたので、一度麻酔した上でインプラントの歯周ポケットの掻爬を行いました。麻酔下でポケットの検査を行ったところ、頬側の骨は溶けて失われている状態でした。

インプラントは骨と直接くっついているため、余程骨吸収が進まない限り動揺は起きません。しかし、一度感染を起こしてしまったインプラントは非常に厄介で、なかなか炎症を鎮めるのが難しいのが現状です。

状況によってはレーザーで消毒を行うか、歯茎を切って開き、骨の再生治療を行う場合もあります。今回のケースでは、麻酔を使ったお掃除でどれぐらい炎症が落ち着くか、一度様子を見ることにしました。

 

それから3ヶ月ほどして症状は落ち着いていたのですが、お仕事の関係で翌年海外へ転勤になることが決まったとお話を受けました。現在のインプラントの状態が心配なので、できれば炎症を起こしているインプラントを除去し、新しくインプラントを埋入してすっきりした状態で転勤へ行きたいとのご希望でした。

そこで、インプラントの撤去が可能かどうかをCTを撮影して確認しました。

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CT写真を確認したところ、インプラントが完全に骨からはみ出している状態が見て取れました。この状態であれば、インプラントと骨はそれほどくっついていないであろうと判断し、インプラントの撤去を行うことにしました。

インプラントを撤去する場合、普通の歯を抜歯するのと同様に、一度引っ張って撤去を試みます。しかし、インプラントは一度骨ときっちり結合すると、非常に強い力となってなかなか取れないケースもあります。

その場合は、インプラントを撤去する専用のキットを使用して、インプラント周囲の骨を削りながら撤去を行います。

今回のケースは骨の結合が失われている状態でしたので、5分とかからず撤去できました。

この際、中に多くの嚢胞がありました。この後インプラントを行うときに少しでも骨ができやすい環境にするために、全ての嚢胞壁を除去しました。

1ヶ月ほど傷の回復を待ち、その後CTを撮影して骨の回復具合を確認しました。

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元々のインプラントの炎症が非常に強く、残念ながら頬側の骨は全く無いままでした。しかし、元々骨のボリュームがしっかりとある方でしたので、今回はこのままインプラントの埋入と骨造成を行うことを患者様にご説明させていただきました。

オペも1時間ほどで滞りなく終わり、骨の質も問題なかったのでインプラントもしっかりと埋入することができました。術後も腫れることなく、痛み止めもほとんど使用せず済んだようでした。

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そこから2ヶ月ほど経過して、歯茎も非常に綺麗に治癒してきたので、型取りを行い被せ物をセットしました。

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こちらがセットした後のレントゲン写真です。埋入前に失われていた骨はしっかりと回復してインプラントも骨としっかり結合していることが確認できました。

治療後の様子

インプラントが歯周病になってしまった場合は、骨が多く失われてしまい、再度処置を行うことが難しいことがあります。

今回は、なんとか一回の手術でインプラントを入れることができましたが、もっと骨が失われてしまったケースでは、一度単独で骨造成を行い、4ヶ月ほど待ってから改めてインプラントを入れることもあります。

ただ、この場合は治療期間が非常に長く費用も余分にかかってしまうため、当院では極力一回のオペで治療できないか検討するようにしています。

術後は、お食事も問題なく取れていました。また、お掃除もしやすくなったため、歯茎の腫れもなく非常に安定していました。

主な副作用・リスク

・予後を完全に保証するものではありません。

・自由診療での治療となります。

・骨の質や全身状態、喫煙の有無によってはインプラントが定着しない場合があります。

インプラントは治療後のメインテナンスが大切です

インプラントは埋入するだけならそれほど難しい処置ではなくなってきました。しかし、歯と形態が若干異なるため、お掃除に少しコツが必要になってきます。

みらい歯科では日頃のメインテナンスでインプラントも一緒にケアを行っています。

歯やお口の周りにお困りの症状や気になることがございましたら、どんな些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。また、他院で入れられたインプラントのメインテナンスも状況によっては可能ですので、どうぞお気軽にご相談ください。

みらい歯科 院長 出口 真太郎

 

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